子どもの心と発達の診療時間
ご予約なしでも、一般診療の時間枠であればご相談いただけます。ただし、その場合は5~10分ほどの診療となります。
初診の場合やじっくり相談したいという場合には、専用時間枠での事前のご予約をお願いします。
なお、30分の専用時間枠には、学校の先生などに同席していただくことも可能です。平日の日中になってしまいますが、学校で困り事などあれば、ぜひご検討いただければと思います(受診の一環となりますので、必ずお子様の健康保険証・医療証を持って、保護者の方も一緒にご来院ください)。
火曜日・金曜日:14:00~16:00
お子様の心身症はどんな病気ですか?
日本小児心身医学会では、子どもの心身症のことを「子どもの身体症状を示す病態のうち、その発症や経過に心理社会的因子が関与するすべてのものをいう。それには、発達・行動上の問題や精神症状を伴うこともある」と定義しています。
少しやわらかく言い換えると、心理的・社会的要因によって、実際に身体に症状をきたしたり、検査で異常が認められる状態を指します。
治療では、原因である心理的・社会的要因を考慮することが大切になります。また、子どもは大人よりもストレスを自覚する能力が未熟であり、ストレス耐性も強くありません。早期に発見し、適切な治療を行うことが求められます。
呼吸器系
- 気管支喘息
- 過換気症候群
循環器系
- 起立性調整障害
消化器系
- 過敏性腸症候群
- 十二指腸潰瘍・胃潰瘍
- 心因性嘔吐
神経系
- 緊張性頭痛
- 片頭痛
- めまい
皮ふ
- アトピー性皮ふ炎
- 慢性蕁麻疹
- 多汗症
- 抜毛症
年代別の心身症
乳児期~幼児期 | 夜泣き・夜驚症 |
---|---|
学童期 |
|
中学生 |
|
起立性調整障害
自律神経の機能障害によって、起立時に脳の血流が低下し、立ちくらみ、めまい、頭痛、倦怠感、動悸、腹痛などが生じる病気です。食欲不振、朝起きられない・夜寝付けないといった症状を伴うこともあります。
主な原因としては、季節・気候の変化、生活リズムの乱れ、心理的・社会的ストレスなどが挙げられます。
過敏性腸症候群
腸の働きに異常をきたし、腹痛、便秘、下痢などの症状をきたします。大きく、腹痛型、便秘型、下痢型、ガス型に分けられます。
はっきりとした原因は分かっていませんが、ストレスなどによって内臓神経の過敏、消化管運動の異常が引き起こされているのではないかと考えられています。
自律神経失調症
ストレスなどを原因として、自律神経のバランスが崩れることで引き起こされるさまざまな症状の総称です。
倦怠感、不眠、疲労感、頭痛、動悸、息切れ、めまい、立ちくらみ、便秘・下痢、イライラ、不安、うつなど、幅広い症状が見られます。
心身症の治療
なお、薬を使用したくない方、漢方薬を希望される方は、遠慮なくおっしゃってください。柔軟に対応させていただきます。
心理療法
1カウンセリング
まずは、傾聴(耳を傾ける)、受容(受け入れる)、共感(理解を示す)ことで、お子様が安心できる心理状態を整えます。悩み事について話すのを嫌がるお子様の場合は、しばらく本題に入れない場合もありますが、強引に詰問すると信頼関係の構築に失敗してしまいますので、何卒ご容赦ください。
困り事なども率直に話せるようになれば、ストレスを特定し、対処法(環境調整やリラクセーション法など)について相談していきます。
心身症の治療では、生活の質を取り戻そうという本人の意欲が不可欠です。そのためにも、最初からストレスへの介入を始めるのではなく、まずはお子様との信頼関係の構築を優先させていただきます。
2ご家族への助言
保護者としてどう係わればよいのか分からず、困惑してしまうことはないでしょうか。良かれと思ってしてあげたことが裏目に出る場合も少なくないかと思います。保護者様が疲弊してしまうと、家族の支え合い機能が破綻し、悪循環に陥ってしまいます。
お子様とのカウンセリングが少し進めば、何に困っているのか、どうなりたいのかが見えてきます。その上で、保護者様は何をしてあげるべきか、また、何をすべきでないかなどについて、助言させていただきます。場合によっては、お子様自身から保護者様にお伝えいただきます。
お子様の希望や方針が、保護者様の思いと異なる場合も少なくないと存じますが、ぜひお子様の考えを尊重してあげてください。お子様本人の意欲が伴わなければ、心身症の治療は上手くいきません。