かぶれ(接触皮ふ炎)(成人・小児)

かぶれ(接触皮ふ炎)はどんな病気ですか?

接触皮ふ炎かぶれとは、刺激性の物質やアレルゲンに触れることで起こる湿疹性の炎症のことを指します。正式には「接触皮ふ炎」と言います。
かゆみを伴うことが多いですが、ヒリヒリ感や痛みなどの場合もあります。

かぶれ(接触皮ふ炎)とじんま疹(蕁麻疹)の違い

かぶれ(接触皮ふ炎)
何らかの刺激によって起こる皮膚炎です。原因物質が付着した場所を中心に、発赤、ブツブツした盛り上がり、水ぶくれなどが生じ、痒みを伴います。表皮変化(鱗屑やザラザラした感じ)があります。

じんま疹(蕁麻疹)
基礎疾患、食物、感染症、薬剤などの影響によって、皮膚の一部が突然に赤く盛り上がり、1つの発疹は数十分から1時間以内に治まります。表皮変化はありません。

かぶれ(接触皮ふ炎)の原因

かぶれは、刺激性接触皮ふ炎、アレルギー性接触皮ふ炎、光接触皮ふ炎に分けられます。

刺激性接触皮ふ炎

刺激性のある物質によって生じるかぶれのことを指します。
洗剤(原液)や薬剤など強い刺激を伴う物質に短時間触れて生じることもあれば、冷たい水や薄めた洗剤、シャンプーなど低刺激の物質に長時間・長期間触れて生じることもあります。
アレルギーと関係なく、誰でも起こり得ます。
接触後、比較的短時間で、接触した部位にのみ症状が現れます。

アレルギー性接触皮ふ炎

化粧品、香水、洗剤、金属製アクセサリー、腕時計、眼鏡、植物、動物、薬剤、染毛料などに対してアレルギーを持つ人が、その物質と触れて生じるかぶれのことを指します。
かゆみ症状が強く、接触した部位だけでなくその周囲にも炎症が拡大していくこともあります。

光接触皮ふ炎

物質に接触した部位に、紫外線を浴びることで生じるかぶれのことを指します。アレルギーによって起こるものと、アレルギーに関係なく起こるものがあります。
また炎症は、紫外線を浴びた部位だけに留まります。

かぶれ(接触皮ふ炎)を誘発する原因
身体の部位別 代表的な原因物質
あたま
  • シャンプー、コンディショナー、トリートメント
  • 整髪料
  • 染毛料
  • ヘアピンなどの髪留め
  • 育毛剤
かお
  • 化粧品、日焼け止めクリーム、化粧水
  • 花粉
  • 外用薬
  • 眼鏡
唇や口周り
  • 口紅
  • リップクリーム、グロス
  • 飲食物
  • 眼鏡
  • ピアス、イヤリング
  • 補聴器
  • ネックレス
手・足
  • 手袋
  • 洗剤
  • 薬剤
  • 消毒液、外用薬
  • 靴下、靴
  • その他触れたもの
おなかや背中
  • 下着、衣類
  • ベルト
  • 洗剤、柔軟剤
  • ゴム

かぶれ(接触皮ふ炎)の治療

原因となる物質が明らかな場合は、その物質との接触を避けます。
その上で、内服薬や外用薬を使用します。

外用薬

主に、炎症を抑えるためのステロイド外用薬を使用します。治療の中心的役割を担います。

内服薬

抗アレルギー薬、抗ヒスタミン薬などを使用します。抗ヒスタミン薬は第一世代と第二世代に分けられますが、現在は副作用が少なくしっかりとかゆみを抑える第二世代の抗ヒスタミン薬が主流となっています。
これらの薬、あるいはステロイド外用薬で十分な効果が得られない場合には、ステロイド内服薬を使用することがあります。

かぶれ(接触皮ふ炎)の対処や予防方法

治療開始後、あるいは再発の予防のため、以下の点に気をつけてください。

1原因となる物質に触れない

アレルギーの有無に関わらず、かぶれの原因となる物質に触れないようにしてください。
業務上避けられないケースなどでは、手袋、服装などで直接の接触を避けるようにします。

2なるべく掻かない

かゆいからといって掻いてしまうと、症状が悪化します。傷ができてそこに菌が入ると、化膿してしまうこともあります。

3肌の清潔を維持する

肌に付着した物質が症状を悪化させることがあります。汗をかいたまま過ごすことは避け、拭き取ったりシャワーを浴びたりして清潔を保ちましょう。
シャワーやお風呂のあとには、肌が乾燥しがちです。保湿をしてください。

4衣類、アクセサリーなどの素材に注意する

新たに衣類やアクセサリーなどを購入する際には、その素材を確認するようにしましょう。
特に金属については、汗と反応し炎症を起こすことがあるため、少量・部分的であっても避けることをおすすめします。

5紫外線にも注意する

かぶれと紫外線との関連を指摘された場合には、日焼け止め、日傘、帽子などを活用し、紫外線対策を講じてください。

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